理想のマイホーム。インスタグラムで見たあのおしゃれな外観と、家族が暮らしやすい間取り…その両方を叶えたいと誰もが願いますよね。しかし、「間取りの希望を優先したら、なんだか不格好な外観になってしまった」という後悔の声、実は少なくないのです。
デザインの良し悪しは、単なる感覚的なものだと思っていませんか? 自分の「好き」という曖昧なイメージが設計士にうまく伝わらなかったら…? 一生に一度の大きな買い物が、小さな妥協の積み重ねで残念な結果になるのは絶対に避けたいはずです。
ご安心ください。実は、美しい外観と機能的な間取りを高いレベルで両立させる、プロならではの「思考の順番」があります。この記事では、多くの人が陥りがちな罠を避け、心から満足できる家をデザインするための秘訣を、建築デザインのプロが具体的にお答えします。
- Q. 得意な建築デザインについて教えて下さい
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結論:美しい「外観」から「間取り」を考えるのが得意です
ご質問ありがとうございます。私が特に得意としているのは、「外観デザインから逆算して、間取りを構築する」というアプローチです。これは、一般的な家づくりの進め方とは少し違うかもしれません。
なぜ?:「間取り優先」が引き起こすデザインの罠
多くの場合、家づくりは「リビングはこの広さで」「子供部屋は2つ」「収納はここに」といった間取りの要望をパズルのように組み合わせていくことから始まります。しかし、この方法には大きな落とし穴があります。
間取りだけを優先して作り上げていくと、外観がどうしても不格好になってしまうのです。これは、いわば「建築あるある」で、窓の位置がバラバラになったり、屋根の形がちぐはぐになったり…といったことが本当に頻繁に起こります。
そこで私は、まずお客様の「理想の外観」のイメージをじっくりお伺いします。その美しいフォルムやプロポーションを絶対に崩さない、というルールのもとで、内部に機能的で快適な間取りを最適化していくのです。このプロセスは、自信を持って「スーパー得意です」と言えます。
よくある失敗例
間取りを優先
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窓や壁を配置
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外観が不格好に…プロのアプローチ
理想の外観を確定
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美しい比率を維持
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外観も間取りも満足!普遍的な「美の法則」を設計に取り入れています
さらに、私のデザインは単なる感覚や好みだけに基づいているわけではありません。実は、人間が時代や文化を超えて「美しい」と感じる、普遍的な比率が存在します。
具体的には、「黄金比」「白銀比」、そして自然界の造形にも見られる「フィボナッチ数列」といった数学的な法則を、設計の随所に意識的に取り入れています。これにより、誰が見ても心地よく、安定感のある、美しいデザインを生み出すことができるのです。これも、他ではなかなか真似のできない、私の強みの一つだと自負しております。
「神は細部に宿る」デザインは安易に真似できない
「デザインはどこでも真似できる」「同じように作れます」と謳う会社もあるかもしれません。しかし、本当に美しいデザインは、それほど単純なものではありません。
私たちのプロの目から見ると、ほんの数センチの寸法の違いや、微妙な色味のズレが、建物全体の印象を大きく左右します。その繊細なバランスを見極め、細部にまでこだわり抜いてこそ、心から「素敵だ」と感じていただけるデザインが完成するのです。